ダイエットの基本は炭水化物(糖質)制限が安定した成功へと導きます。しかし、糖質制限は、やり方次第で身体に悪影響を及ぼす結果につながるので気をつけましょう。
炭水化物って?
炭水化物は、糖質と食物繊維でできています。主に、ごはん、パン、パスタなどの麺類、つまりうどん、そばも炭水化物です。
炭水化物を食べることは、食物繊維が摂取できることなので良いことなのですが、同時に糖質も摂取するため、太りやすい身体になります。
最近のダイエット方法として「糖質制限」によるダイエットが多くおこなわれる理由はここにあります。「糖質の含まれる食材を制限」すれば、それ以外は多少多く食べても太りにくいことから、ダイエットの方法としてはすごくわかりやすい方法なのですね。
ごはん、パン、麺類を食べずに、それ以外のものを食べていれば痩せる
これが糖質制限ダイエットの理解し易さといわれていますが、実はここに大きな落とし穴があるのです。
太るメカニズム
太るメカニズムを簡単に説明すると以下の通りです。
- ごはん・パン・パスタなどの麺類(でんぷん)は小腸でブドウ糖になり、血中に取り込まれます。
- ブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲンという物質に蓄積されます。
- グリコーゲンに蓄積できないブドウ糖は脂肪細胞に蓄積するようになります。
1から3を繰り返して体内に脂肪が増加・蓄積されていきます。これが太るメカニズムです。
糖質制限ダイエットは、このブドウ糖が蓄積して脂肪を増やすという作業工場の稼働を減らし、現在身体に貯まっている脂肪中のブドウ糖を使っていくことで痩せる方法です。
糖質を摂取しなくなったらどうなるのか心配されますが、糖質制限ダイエットによる現時点でのデータでは、人体への大きな影響は確認されていません。というか、糖質制限ダイエットによってどのような影響があるのかはっきり証明されておらず、病気などの因果関係がはっきりしないというのが正確な意見になります。
少なくとも食事をする限り、糖質を0にすることは困難なため、毎日必要程度の糖質は何かしらの食物から摂取できていますが、私の2年近くの実践データによると、少なくとも1日にごはん茶碗1杯(150g)のごはん(できればひや飯のおにぎり)を朝に食べるのが健康的には良いと感じています。
炭水化物はあくまで「制限」すること。食べないのはNG。
炭水化物(糖質と食物繊維)は制限はしますが、全く食べないというのも問題です。というのも、糖質制限をすると面白いように痩せていきますが、これは身体から水分が抜けているだけといわれています。
その後、糖質を摂取するとそれまで以上に体内に吸収され、必ずといっていいほどリバウンドするメカニズムの原因であるとさえいわれています。
太りやすい身体を作ってしまったのでは、なんのためのダイエットなのかわかりません。ぎりぎりのさじ加減で確実に痩せるのが、健康的に痩せるダイエット方法の根幹になります。
では一日に最小限必要な炭水化物量はどの程度でしょうか。
ごはんにすると炊いたご飯で1日175g。牛丼の並盛程度の量で、ご飯茶碗 7~8分目を2杯。0.3合を2杯程度です。
0.3合を朝・昼一杯ずつというのが理想ですが、炭水化物はご飯以外からも摂取している分もありますが、一日0.3合は食べるようにしましょう。もちろんパンでも良いですが、パンのカロリーと量を考えれば、ご飯が一番、カロリーと腹もちのパフォーマンスが良いと思いますので、ご飯をお勧めします。
炭水化物は、食べすぎよりは抜く方がマシです。上限はきっちり守りさえすれば、食べない日があっても健康への影響がすぐに出るようなことはありません。ごはんを炊くのが面倒な時はあえて食べずに一食二食を抜く方法がダイエット向きです。
炭水化物を食べるタイミングは朝と昼の最後に。
- まず、野菜を60g以上食べます。(15分ほどかけて本を読みながらゆっくり)
- たんぱく質(できれば魚)を食べます。
- 味噌汁(わかめ・豆腐など)を飲みます。
- ご飯に納豆、とろろ昆布などを乗せて食べます。
- リコピン配合のトマトジュースを200cc飲みます。
「血糖値の急上昇が太る身体になる原因」です。それは「最初に炭水化物を摂る」ことが最たる原因です。
糖質制限に関する方法ですが、最近こんな記事を見つけました。
「糖質制限はご飯、パン、麺類を食べないだけで痩せるダイエット方法です。」
この説明でも間違いでは無いのですが、一文足りていません。
「だからといって揚げものや肉を多く食べて良いわけではありません」
私としては、常識で考えれば書かなくてもそう思うだろうと思って、この部分を特に強調することはありませんでした。
しかし、最近相談を受けた30代女性が会話中に「糖質制限中だから、今日はすき焼きです」とおっしゃいました。
すごく驚いたのですが、確かに、すき焼きは野菜もたっぷり、しらたきなどもヘルシー、牛肉も赤身が大半であれば多少問題なしですが・・・
基本的に出汁や卵によるカロリーの高さや、出汁に溶け込んでいく牛脂をさらに摂取することで、大量の脂質を摂取することになります。出汁にも砂糖がいっぱい入っていますし。
もしかしてみなさんも糖質制限は糖質を制限すれば何を食べても良いと思っておられますでしょうか。そして糖質制限とは「糖質を一切摂取しないこと」と思っていませんでしょうか。
糖質制限ダイエットとはあくまで「糖質を必要最小限にまで制限」するダイエット方法です。一日に脳が必要とする100gを適量とし、炭水化物(糖質)の摂取を心がけます。
そして「糖質制限さえすればアルコール・肉・揚げ物・油炒めなどはOK」
といったダイエットの苦しみから解放してくれる神情報がけっこうあふれていますがそれは間違いです。
私もですけど、人間って、自分を安心させてくれる情報を信じるような弱さみたいなものがあります。確かに間違ってはいないので、否定する気はないのですが、これを完璧に実践すれば確実に副作用がついてくるので気をつけてください。
確かにいろいろ食べてもいいのですが「大量に」とはどこにも書いていません。しかし、糖質制限をしていると、炭水化物による満腹感をなかなか得られないために、おかずを大量摂取してしまうのです。
「糖質制限はするけど、カロリーは気にしていません。」と思われている方は注意が必要です。
糖質制限ダイエットの危険性が指摘されているのはこの部分ですね。
「糖質を制限している分、カロリーを気にせず糖質以外の食事量を増やして空腹を補う」
これは逆に体に悪く、一気に動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞に直結してきます。それは油ものが増えたり、肉料理など動物性の脂質摂取量が増え、糖質に代わって脂質が体内に取り込まれていくからです。
確かにこの方法でも糖質制限をしているので体重は落ちていきます。半年で10kg落した方もおられます。
ただしこのような食生活を1年続けれぱ、体重は落ちても、心筋梗塞や動脈破裂、心筋梗塞、狭心症を引き起こす、血管内狭窄はどんどん進行していきます。そしてこういった場合でも血液数値は特に変化がなく、発見が遅れるケースもあるということです。
そして知らず知らずのうちに、リバウンドしやすい身体へと変化し、10kg落としても一気に15kg戻してしまったという例もあります。
健康と美容のためにしているはずのダイエット。
糖質制限ダイエットをする場合は、この点を注意して「カロリー制限と糖質制限」による正しい糖質制限ダイエットをおこなってください。